家庭内感染の対策をしても4人全員かかりました|いちばん大変だったのは送迎の時間でした

朝の台所でお弁当を詰める父親。奥の部屋には寝ている家族、玄関には保育園バッグを持った子どもが待っている水彩イラスト 育児・子育て

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「家族の誰かが感染したとき、いちばん困るのは何ですか」

そう聞かれたら、私は迷わず「送迎」と答えます。熱でも、咳でも、消毒でもありません。元気な下の子を保育園に連れて行く、あの往復です。

調べると「家庭内感染の対策」はたくさん出てきます。部屋を分ける、タオルを分ける、換気をする。どれも正しいと思いますし、我が家もやりました。そのうえで、順番にうつりました。最終的には4人全員です。

この記事は、感染症の説明をする記事ではありません。症状や受診の判断は、かかりつけの先生に聞いてください。ここに書くのは「防ぎきれなかった家で、生活のほうがどうなったか」です。洗濯、食事、そして送迎。防ぐ話の先にあるのに、あまり書かれていない部分だと思っています。

家庭内感染の対策をしても、わが家は順番にうつりました

先に結論を書きます。我が家は部屋を分けることができました。それでも、上の子 → 下の子 → 妻 → 私、の順にうつりました。最後は家族4人全員です。誰か1人が耐えきった、という話ではありません。

これは「対策が無駄だった」という話ではありません。分けたことが、何かしら影響していた可能性もあります。ただ、実際に暮らしてみて分かったのは、防ぐ工夫はいくらでも書けるのに、防げなかったときの段取りは誰も決めていないということでした。

そして生活が回らなくなるのは、うつった瞬間ではありません。うつったあとの、次の日の朝からです。

わが家の実際|インフルエンザもコロナも、一度ずつ一巡しました

我が家は夫婦と子ども2人の4人家族です。インフルエンザのときも、コロナのときも、家の中を一周しました。

特にコロナのときは、当時は家族が感染すると、買い物にも行きにくい状況でした。いまは新型コロナの扱いも当時とは違いますが、我が家では、そのころは家から出ないことを前提にしていました。それでも家族は毎日ごはんを食べますし、そのとき元気な子は保育園に行きます。この二つが同時に来ることが、我が家では何より重い負担でした。

もうひとつ、いまとは違っていたのが気持ちのほうです。当時はまだよく分からない病気だったので、単純に怖さがありました。とくに子どもがかかるのが怖かったです。このあと段取りの話ばかり書きますが、その下にはずっとこの不安がありました。

順番はこうでした。まず上の子。次に下の子。そのあと妻で、最後が私です。そして、この「順番」がやっかいでした。我が家の場合、全員が同じ日に倒れたのなら、外の予定をいったん止めて家族で休むという選択もできます。ところが順番に来ると、家の中に「寝ている人」と「動ける人」が、ずっと同居し続けます。一巡が終わるまで、家は非常事態のままです。

動ける人も、なかなか休めません。

上の子・下の子・妻・私の順に寝込んだ期間を並べたタイムライン。全員かかったが同時ではなく、送迎と家事の担当が私から妻に交代したことを示した図
全員かかりましたが、同時ではありません。だから家の中はずっと「寝ている人」と「動ける人」が同居していました

隔離はできても、家事は隔離できません

部屋は分けられました。これは間取りに助けられた部分が大きくて、できない家のほうが多いと思います。ただ、部屋を分けたところで、家事のほうは分けられませんでした。

家族がインフルエンザにかかったとき、家事までいつも通り続けるのは難しくなります。看病する人が増えるわけではないのに、洗濯も食事も片づけも、量だけが増えていくからです。

洗濯物は分けられても、干す場所はひとつ

洗濯は「分けて洗う」まではできます。問題はそのあとです。洗う回数が増えるのに、干す場所は増えません。寝込んでいる人がいると寝具やタオルが増えるので、余計に回転が悪くなります。

我が家はもともと年中部屋干しなので、干す場所の少なさは前から分かっていたつもりでした。それでも足りませんでした。部屋干しのやり方を工夫していても、量が倍になれば単純に置き場が足りません。

トイレは分けられました。手を入れたのは食器のほうです

我が家はトイレが2つあったので、そこは分けられました。ただ、これは家の作りに助けられただけです。1つしかない家では分けようがありません。

そのぶん手を入れたのは、食器のほうでした。とにかく洗いものを増やさないようにしています。洗う人が1人しかいない日は、食器の数がそのまま自分の負担になるからです。

「毎回きちんと消毒」は、最初の数日で続かなくなりました

正直に書きます。ドアノブも、スイッチも、蛇口も、最初の数日は毎回拭いていました。続きませんでした。看病して、洗濯して、ごはんを作って、送迎して、その合間に全部の面を拭き続けるのは、動ける大人が1人のときには無理でした。

なので途中から、我が家では触る回数が多いところを優先する形に変えました。完璧にやろうとして全部やめてしまうより、そのほうが結果的に続いたからです。手洗いや換気といった基本の部分は続けたうえでの、我が家なりの線引きでした。

次はこうする:タオルは、倒れてから分けるのではなく最初から色を分けておく。分ける手間がゼロになります。

いちばん大変だったのは送迎の時間|元気な子の予定は止まってくれません

ここが、この記事の本題です。

下の子が先に治って保育園に戻り、入れ替わりで妻が寝込んだ日の私の朝は、こうでした。自分の弁当を作る。家族全員の朝ごはんを作る。治ったばかりの下の子を保育園に送る。そのあと自分の仕事です。

病人の看病だけなら、まだ気持ちの整理がつきます。しんどいのは、家の中が「非常事態」なのに、そのとき元気な子の生活だけは通常運転で進んでいくことでした。治った子は翌日から普通に保育園がありますし、おなかも空きます。家じゅうが病人モードでも、その子の朝はいつもどおり用意することになります。

家庭内感染の対策を書いた記事はたくさんあります。でも「まだ倒れていない子、もう治った子の送迎を誰がやるのか」を書いた記事を、私はほとんど見たことがありません。我が家で実際に手が回らなくなったのは、そこでした。

なお、登園や登校をいつから再開できるかは、園や学校ごとに決まりがあります。我が家の判断は参考にせず、必ず通っている園・学校に確認してください。

次はこうする:「送迎だけ」を頼める先を、元気なうちに1つ確保しておく。ファミリーサポートでも、祖父母でも、近所の家庭でもかまいません。倒れてから探すと間に合いません。

看病する側は交代します|妻が治りかけたころ、私が倒れました

順番にうつるということは、看病する人も順番に入れ替わるということです。

最初は私が送迎をしていました。妻が治ってきたころに、今度は私が倒れました。そこからは妻が送迎を代わってくれました。結果としてきれいな交代制になりましたが、当時はそんなふうに眺める余裕はありませんでした。

そして、これは運が良かっただけだとも思っています。我が家は最後まで「夫婦のどちらかは動けた」から回りました。子どもは2人とも倒れましたが、妻と私が倒れた時期はずれていました。もし夫婦2人が同じ日に動けなくなっていたら、送迎も、食事も、看病も、同時に止まっていました。我が家で特に怖かったのは、うつることそのものより、この状態でした。

次はこうする:「2人とも動けない日」に何をあきらめるかを、先に決めておく。全部を回そうとするから無理が出ます。我が家があきらめたのは掃除でした。洗濯は止められないので、洗うものを増やさないほうで調整しました。送迎だけは人に頼みます。

我が家で最初に止まったのは台所|買い物に行く時間がない前提で考えておく

家事のなかで最初に止まったのは、料理でした。理由は単純で、作る人が寝込むと、その日から誰も作れないからです。掃除は数日サボってもなんとかなりますが、食事は毎日3回やってきます。

料理は最後まで残したいと思っていました。ところが実際には、その料理がいちばん先に止まりました。あきらめるものを決めていても、作る人が倒れたら、その順番は関係なく崩れます。

しかもコロナのときは、買い物にも行きにくい時期でした。「作れない」と、当時は「買い物にも行きにくい」が同時に来ます。地味ですが、我が家にはこれがいちばん効きました。

それもあって、我が家はスーパーのネット注文をメインにしています。感染したときだけの話ではありません。共働きだと、そもそも買い物に行くタイミング自体がないからです。普段からその形にしてあったので、誰かが寝込んだ日にそのまま効きました。

我が家がその後に用意しておくようにしたのは、こういうものです。

  • 温めるだけで出せる冷凍のおかず
  • レトルトと缶詰(子どもが食べ慣れているものに限る)
  • 経口補水液(OS-1)やinゼリー、子ども用のパウチゼリー。食欲が落ちたときに備えて、家に置いておいたものです
  • スーパーのネット注文や、玄関で受け取れる宅配・宅食の手段

とくに最後の一つは、受け取り方を選べるだけで、隔離中の使い勝手がまったく変わります。サービスによっては対面を避けて受け取れるものもあります。

冷蔵で届くつくりおきのおかずは、作る人が寝込んだ日の保険としては現実的だと思います。ただ、正直に書くと私自身が普段から使っているわけではありません。だから以前、実際に使った人の口コミを数えて調べたことがあります。

シェフの無添つくりおき

宅食が続くかどうかは、家庭によってかなり分かれます。迷っている方は宅食を続けている人と、やめた人の違いのほうを先に見てみてください。

次はこうする:「作らなくても出せる食事」を、常に2〜3日分だけ切らさない。多く持つ必要はありません。倒れてから買いに行けないぶんだけあれば足ります。

仕事はどう分けたか|「両方休む」ができない日の決め方

共働きなので、どちらかが家にいる必要がある日が続きました。我が家のやり方は、固定したルールを作らず、その都度相談することでした。

「パパが月曜、ママが火曜」のように決めてしまうと、その日にどうしても外せない仕事が入っていたときに破綻します。実際にやったのは、お互いの忙しさを見て、その都度相談する方法でした。今週はこっちが動かせない、じゃあそっちで、という調整を毎回やるだけです。

雑に見えるかもしれませんが、これは家事分担でも同じでした。夫婦の家事分担のときにも書いたとおり、決めすぎないほうが長続きします。非常時ならなおさらで、きっちり決めた表は、最初に崩れた日から使われなくなります。

次はこうする:前の日の夜に「明日はどっちが動ける?」だけ確認する。一週間分の計画は立てない。どうせそのとおりになりません。

順番にうつる前提で、我が家が決めた5つのこと

一巡してみて決めたのは、この5つです。どれも「防ぐため」ではなく「防げなかったときに、生活のほうを回すため」のものです。

  1. タオルは最初から色を分けておく。感染を防ぐためというより、倒れてから分ける手間をゼロにするためです
  2. 送迎を頼める先を1つ確保しておく。看病より先に大変になるのは、送迎の時間です
  3. 作らなくても出せる食事を2〜3日分だけ常備する。買い物に行く時間がない前提で考えます
  4. あきらめるものを決めておく。我が家は掃除をあきらめ、洗濯は「洗うものを増やさない」形で続けました
  5. 予定は前日の夜に決める。一週間の分担表は作らない

消毒や換気の話が入っていないのは、軽視しているからではありません。そこは他の記事にたくさん書いてあるからです。足りていないのは、その次の話だと思っています。

まとめ|防ぐ準備と、防げなかったときの準備は別物です

  • 我が家は部屋を分けられました。それでも上の子 → 下の子 → 妻 → 私の順にうつり、最後は4人全員でした
  • 隔離はできても家事は隔離できません。洗濯は干す場所が、食器は洗う人が足りなくなります
  • 我が家では、看病より先に大変になったのが送迎の時間でした。元気な子の生活は通常運転で進みます
  • 看病役は交代します。「夫婦のどちらかは動けた」から回っていただけで、同時に倒れたら回らなくなります
  • 最初に止まるのは台所。作れないと買いに行けないが同時に来ます

いま家族の誰かが寝込んでいて、この記事にたどり着いた方へ。順番にうつったとしても、それは対策をさぼったからではありません。我が家は分けられる部屋があって、それでも一周しました。

だから、防ぐことに全部の力を使わないでください。今日ごはんが出て、元気な子の生活を必要な範囲で回せて、動ける人が少しでも寝られること。そちらのほうが、動ける人が少しでも休みながら、生活を回しやすいと思います。

もし今日ひとつだけやるなら、これだけで足ります。「送迎を頼める人」と「作らなくても食べられるもの」、この2つを確認しておく。倒れてから探すより、元気なうちに確認しておいたほうが安心です。

そして最後にもう一度だけ。症状や受診のタイミング、登園・登校の再開時期は、この記事ではなくお医者さんと園・学校に聞いてください。ここに書いたのは、あくまで家の回し方の話です。

わらじ@家事パパ

30代、家事・育児・仕事の三足のわらじを履く共働きパパ。本業はリフォーム専門の工務店に勤める二級建築士で、築年数の経った住まいの改修現場に携わっています。家事ラクグッズから住まいのメンテナンスまで、暮らしをちょっとラクにする話をパパ目線でお届けします。

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