リフォームの見積もりが高い?妥当か見分ける5つの視点|現役二級建築士が解説

リフォームの見積もりが高い?妥当か見分ける5つの視点 住まいのこと

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リフォームの見積もりを3社から取って、並べてみたら同じ工事のはずなのに数十万円の差があった。いちばん安い会社にすべきなのか、それとも安すぎる方が怪しいのか——そこで手が止まってしまう方は多いと思います😅

私はリフォーム専門の工務店に勤める二級建築士です。日ごろ見積書を作る側にいますが、この記事は情報提供が目的で、個別の見積もり診断や設計・工事監理のご依頼はお受けしていません。そのぶん、売る側の立場では書きにくいことも含めて書けると思っています。

この記事では、見積書のどこを見れば妥当かを判断できるのかなぜ会社によって金額差が生まれるのか、そして相見積もりでよくある疑問をまとめました。金額の大小だけで決めなくて済むようになるはずです😊

リフォームの見積もりが「高い」と感じる理由は金額だけではない

「高い気がする」という感覚の正体は、多くの場合金額そのものではなく、判断する材料が足りていないことにあります。

相場が分からないから高く見える

リフォームは、同じ「浴室交換」でも建物の構造・築年数・搬入経路・既存の傷み具合で必要な工事がまったく変わります。そのため「この工事なら◯◯万円」と一律に決まる相場は、実はつくりにくいのが実情です。

ネットで見かける相場表も参考にはなりますが、あくまで一般的な目安として書かれているものが多く、ご自宅の条件と一致するとは限りません。相場と比べて高い=ぼったくり、とは限らないということです。

何にいくらかかっているかが書かれていない

もうひとつが、見積書の書き方の問題です。総額しか分からない見積書だと、高いか安いか以前に比べようがありません

逆に言えば、内訳さえきちんと確認できれば、素人の方でもかなりのところまで判断できます。ここから具体的に見ていきます。

リフォームの見積もりが妥当か判断する5つのチェックポイント

金額の数字を追う前に、書き方を見てください。ここが整理されている会社は、見積書の内容を説明しやすい体制になっていることが多いと感じます。

【1】「一式」表記がどれだけあるか

いちばん最初に見てほしいのが、「◯◯工事 一式」という書き方がどれくらい並んでいるかです。

一式表記そのものが悪いわけではありません。細かく分けにくい工事もありますし、量が多くなりすぎると読みにくくなるという事情もあります。ただ一式が多いほど、どこまでやってもらえるのかの解釈がズレやすくなるのは確かです。

👆 一式の欄を見つけたら、「これは具体的に何をする費用ですか」と聞いてみてください。すぐに説明できるかどうかで、その会社が工事内容をどのように整理しているかを確認する材料になります。

【2】数量と単位が入っているか

㎡(平米)、m(メートル)、箇所、台——こうした単位と数量が入っているかどうかも、確認しやすいポイントです。

数量が入っていれば、他社の見積もりと同じ土俵で比べられます。逆にA社は「クロス張替 45㎡」、B社は「内装工事 一式」だと、金額を並べても意味がありません。安く見えた会社が、そもそも面積を少なく見ていただけということも起こり得ます。

【3】諸経費・現場管理費の扱い

諸経費や現場管理費は、現場の管理・書類作成・保険・車両費などにあたる費用です。この項目があること自体は、まったくおかしなことではありません

ただし考え方は会社によって幅があり、独立した項目として出す会社もあれば、各工事の単価に含めている会社もあります。諸経費が「無い」会社が安いとは限らず、どこかに含まれているだけという場合もあります。

👆 比べるときは、諸経費の有無ではなく総額と工事内容をあわせて確認すると比較しやすくなります。

【4】工事範囲と「含まれていないもの」の記載

意外と見落とされがちなのが、含まれていないものが書いてあるかです。

既存設備の処分費、養生費、駐車場代、電気やガスの工事、家具の移動。このあたりは「別途」になりやすい項目で、書かれていないと後から出てくることがあります。

「含まないもの」をきちんと明記している見積書は、それだけであとから揉めにくい見積書だと私は思っています。

【5】追加工事になる条件が書いてあるか

「どういう場合に追加費用が発生するか」が書かれているかどうかも、確認しておきたいところです。書かれていれば、着工後に想定外のことが起きても、話がこじれにくくなります。

工事の途中で想定していなかったことが出てくるのは、リフォームでは珍しいことではありません。だからこそ、そのときの扱いが先に書いてあるかが効いてきます。

相見積もりで金額差が出る本当の理由

ここが、いちばん誤解されやすいところだと感じています。金額差の多くは、良心的かどうかではなく「何を見ているか」の差です。

使う材料のグレードが違う

同じ「システムキッチン交換」でも、メーカーやグレード、扉の面材、天板の素材で金額はかなり動きます。型番まで書いてあるかどうかを見比べてみてください。書いていない場合は、どのグレードを想定しているか確認するのが安心です。

下地の補修をどこまで見ているか

現場では、金額差につながることが多いポイントの一つです。

たとえば洗面所の床を張り替えるとき、表面の床材だけを見て金額を出すこともできますし、その下の下地が水で傷んでいる可能性を想定して、補修分を見込んでおくこともできます。築年数が経った家ほど、後者の考え方をする会社の方が金額は上がります。

この場合、高い方が不誠実なのではなく、あとで追加になりそうなところを先に見ているだけということがあります。

自社で施工するか、下請けに出すか

自社の職人が施工する場合と、専門の業者へ依頼する場合とでは、費用の構成が変わります。どちらが良い悪いという話ではありませんが、金額差の背景にはこうした体制の違いもあると知っておくと、比べるときの見え方が変わってきます。

安いリフォーム見積もりほど注意したいパターン

売る側の人間が言うと宣伝に聞こえてしまうかもしれませんが、いちばん安い見積もりが、最終的にいちばん高くつくこともあります。以下は、あとから金額が増えやすい書き方の例です。

解体してみないと分からない部分を最初から見ていない

とくに水まわりと築年数の経った家では、壊してみて初めて分かることがあります。それを一切見込まずに金額を出せば、その分だけ見積金額が低くなる場合があります

👆 「もし下地が傷んでいたら、どのくらい追加になりそうですか」と先に聞いておくのがおすすめです。金額そのものより、その質問に具体的に答えられるかを見てみてください。

その場での契約を強く勧められる

「今日中にご契約いただければ」「今月だけの価格で」という進め方をされたときは、いったん持ち帰って構いません。一般的には、数日検討したくらいで受けられなくなることはまずありません

訪問販売など、契約の形態によっては特定商取引法に基づくクーリング・オフ制度の対象となる場合があります。一定期間内であれば、申し込みの撤回や契約の解除ができる場合があります。条件は契約内容によって異なるため、不安があるときはお住まいの自治体の消費生活センターや消費者ホットラインに相談するのが確実です。

リフォームの相見積もりでよくある疑問

見積もりを取る側が気にされがちなことを、受け取る側の立場からお答えします。

相見積もりは失礼ですか?

まったく失礼ではありません。むしろ何百万円という工事を1社だけで決める方が心配です。「他社さんにもお願いしています」と最初に伝えてもらった方が、担当者としても提案を組み立てやすくなる場合があります。

何社に頼めばいいですか?

3社前後がひとつの目安だと思います。2社だとどちらが標準的なのか判断しにくく、5社を超えると現地調査の立ち会いと比較だけで疲れてしまい、かえって内容を読み込めなくなりがちです。

他社の見積もりを見せてもいいですか?

これは目的によります

「この金額まで下げてください」という値引きの材料として見せるのは、あまりおすすめしません。金額を合わせるために、どこかの工事を削って帳尻を合わせることになりかねないからです。

一方で「他社さんはこの工事が入っているのですが、御社の見積もりには見当たらないようです。どちらの考え方でしょうか」という確認の使い方は、とても有効です。会社ごとの考え方の違いがはっきりして、比較の精度が上がります。

気まずくならない断り方はありますか?

結論から言うと、「他社さんにお願いすることにしました」の一言で十分です。理由を細かく説明する必要はありませんし、メールや電話でも失礼にはあたりません。

リフォームでは相見積もりが行われることも珍しくありません。断られること自体は織り込み済みですし、いちばん困るのは連絡が来ないまま止まってしまうことなので、一報いただけるだけでありがたいというのが正直なところです😊

注意したい会社のサインはありますか?

断定はできませんが、こういうときは慎重に進めた方がいいかもしれません、という例を挙げます。

  • 現地を見ずに金額を出してくる → 現地調査をしないままでは、正確な数量や工事内容を判断しにくい場合があります
  • 質問への回答が毎回あいまい → 契約後のやり取りも同じ調子になりがちです
  • 大幅な値引きをすぐ提示してくる → 最初の金額は何だったのか、という話になります
  • 書面を出したがらない → 見積書・契約書・工程表は出してもらうものです
  • 不安を強くあおる → 「今すぐ直さないと危ない」と急がせる進め方には、いったん距離を置いて構いません

それでもリフォームの見積もりに迷うときは

ここまで見てきたポイントを踏まえても、1社だけの見積もりでは判断のしようがありません。比較できる状態をつくることが、有効な方法の一つだと思います。

知り合いの業者がいない場合は、複数社にまとめて依頼できるサービスを使うのもひとつの方法です。

リフォームを安心に安く|リフォーム比較プロ

また、工事のきっかけが台風や大雨などの自然災害である場合は、契約内容によっては火災保険の補償対象となる場合があります。修理費用の考え方が変わってくるので、見積もりを取る前に一度確認してみてください。

まとめ|金額ではなく内訳を見る

リフォームの見積もりが妥当かどうかを判断する視点を、5つに整理します。

  • 「一式」が多すぎないか——中身を説明してもらえるか確認する
  • 数量と単位が入っているか——他社と同じ土俵で比べられるようにする
  • 諸経費がどう扱われているか——有無ではなく総額と工事内容をあわせて見る
  • 含まれていないものが書いてあるか——あとから出てくる費用を先に潰す
  • 追加になる条件が書いてあるか——着工後に揉めにくくなる

そのうえで、金額差の背景として大きいのは、下地の補修をどこまで見込んでいるかです。安い見積もりを見つけたときは、そこが省かれていないかを確かめてみてください。

いちばん伝えたいのは、安い見積もりも高い見積もりも、それだけでは良し悪しを判断できないということです。金額の数字ではなく、その金額が何によって組み立てられているかを見てもらえたら、選ぶ基準がぐっとはっきりするはずです。

比較して分からない点は、そのまま契約せずに担当者へ確認してみてください。納得できる説明が受けられるかどうかも、会社選びの大切な判断材料になります😊

わらじ@家事パパ

30代、家事・育児・仕事の三足のわらじを履く共働きパパ。本業はリフォーム専門の工務店に勤める二級建築士で、築年数の経った住まいの改修現場に携わっています。家事ラクグッズから住まいのメンテナンスまで、暮らしをちょっとラクにする話をパパ目線でお届けします。

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